発泡スチロールのパイオニア・カンパニー

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第2章 製品開発 ~製品開発の分野は農業用資材から産業用資材と幅広く

[2]農業用資材分野

出荷用の専用容器にとどまらず、栽培資材も積極的に開発しています。

通販用 たまごが割れにくい工夫が一杯の『EPSたまごケース』 ※意匠登録申請済

●通販を利用されているたまご生産者様のお困りごと

 1.輸送中に卵が割れてしまう

 2.卵が割れないように包装するため、緩衝材などの資材コストが嵩んでしまう

 3.卵が割れないように包装するため、梱包作業に時間が掛ってしまう、また作業に慣れるまでに時間が掛ってしまう

●トーホー工業は卵が割れる原因を徹底的に追及しました。

 「たまご割れ」の主たる原因は

 ①トラック輸送中の振動や衝撃による割れ
 ②トラック輸送前後の荷扱い、例えばカゴ車での移送中や梱包作業中の落下による割れ等、です。

 トラック輸送中の割れについては、精密機械等の輸送トラブルにお応えしてきた実績があります。
 今回は、カゴ車からの落下対策に取り組みました。

落下テストの実施(トラック輸送外の荷扱いを想定したケース)

 ≪テーマ≫
  ➤容器の中のどこで、卵が割れているのか?
  ➤容器の中で、卵のどこが割れているのか?

 ●発泡スチロールで作った容器を使用した落下テストの様子です。カゴ車の移動作業を再現しました。


●落下テスト後、容器の中のたまごが割れた場所と、たまごの割れた部分を確認しました。

落下試験でわかったこと

 ≪検証結果≫
 ①落下時の衝撃を受ける容器の端で「たまごの割れ」が発生する
 ②たまごの上部と底部に「たまごの割れ」が発生する

●トラック輸送中の衝撃対策とカゴ車移送中の落下に対する対策として、「たまごケース」に4つの解決策を講じました。

 ①横揺れ衝撃に対する対策 ➤ たまご同士の接触防止設計
 ②横揺れ振動に対する対策 ➤ たまごポケット側面に固定用四点突起
 ③たまごの先端(上部と底部)にかかる荷重対策 ➤ 先端荷重逃し構造を設計
 ④緩衝性能のアップ ➤ たまごケース側面の倍率と側面の厚さを調整

EPSたまごケースの対策

  
①たまごケース(上から)         ②たまごケース(正面から)        ③たまご同士の接触防止形状

  
④段積み時の横ずれ防止(スタッキング)   ⑤振動防止の四点突起           ⑥先端荷重逃し構造

  
⑦フタをした状態            ⑧フタと容器を同じ形状にし、作業時間を短縮 ⑨呼吸する卵のための通気口

開発製品『EPSたまごケース』の落下テスト

    
➤当社の金型工場で実験しました。カゴ車の高さ(150cm)を再現しました。

        
➤落下テストの結果、「たまごの割れ」は発生しませんでした。

『EPSたまごケース』の特長 ※意匠登録申請済

1.トラック輸送時の横揺れによる衝撃・振動を吸収する設計をしました。(③と⑤)
2.カゴ車使用時や梱包作業時の落下衝撃を吸収する設計をしました。(⑥)
3.1と2の設計効果により、従来のエアクッションによる二重梱包の必要がなくなりました。
4.その結果、資材の使用量が減ったので、梱包資材費用と梱包作業時間が大幅に削減されました。
5.容器に設計した「通気口」と、本体・フタの同形状設計で、卵にも人にも優しい容器ができました。(⑧と⑨)

『EPSたまごケース』は、通販用の高級たまごのために開発されました。

当社は発泡スチロール成型品の業界で、唯一「金型工場」を社内に設置しています。
『EPSたまごケース』は、全国の生産者様から多くのお声を頂き、お客様のお困りごとを解決するために設計されました。
そして試作品を作成し、お客様にテストを重ねて頂き、完成させました。

  
●金型設計者が、3DCADで設計し(写真左)、専用のNCルーター(写真中央)で、サンプルを作成(写真右)します。